今回は、MEOを活用して集客を2.5倍にした栃木県Nクリニックについて見ていきたい。
Nクリニックは栃木県で美容サービスを展開するクリニックであるが、MEOなどの対策より、従来よりも大幅に集客を改善した事例を持つ。今回は、自費診療の集客を増やすために行うMEOの考え方に触れていこう。
では本日の目次を示そう。
MEOとは
まず、MEOの位置づけについてお伝えしよう。下の図は、自費診療の集客を増やすための全体構造である。
媒体・販売ルート・企画があるが、媒体においては、チラシやポスティングなどを含めたオフライン媒体や、プレスリリースを配信し認知を高めるPRなど様々な施策がある。中でも、自医院のホームページに集客するための施策の一つがSEOだ。このSEOには、下の図のように大きく二つの種類があげられる。
右側は、「サイトSEO」という一般的なSEOだ。いわゆる「レーシック×大阪」などのキーワードで上位表示させるテクニックである。一方、マップSEO(MEO)は、左側のようなGoogleマップにて自医院を表示する順番を上げるテクニックである。
MEO対策のメリット
では、MEO対策のメリットは何だろうか。下の図をご覧いただきたい。MEOに関しては四つのメリットがあるため、順に紹介していこう。
まず一つ目が、Webサイトよりも上に表示されることだ。下の図にあるように、マップ領域とWEBサイト領域を見てみると、マップ領域がWebサイトよりも上部に表示されているため、アクセスを集めやすいことがわかる。
二つ目は、グーグルマップと連携されていることだ。下の図をご覧いただきたい。下の図は使ったことがある地図アプリについてのアンケートにであり、回答はGoogleマップが圧倒的で、このような使用頻度の高いマップに自医院が表示されると、集客につながりやすいことがおわかりいただけるだろう。
三つ目は、顧客が競合と比較して来店することである。下の図にあるように、「東京インプラント」などで検索した際には、それに準ずる医院が表示される。患者は、この表示の中の口コミなどを参考に来院するため、売り上げにつながる可能性が高い。
そして、四つ目は市場が拡大傾向にあることである。下の図は、MEOにおける市場規模推計だが、2025年には2020年の2倍以上の市場規模になると言われているため、非常に可能性を秘めた媒体といえる。
また、下の図をご覧いただきたい。下の図は「ゼロクリックサーチ」といい、クリックしない検索行為を行う人々が全体の50%を超えたとの調査結果を表している。
これらを踏まえると、クリックせずにGoogleマップだけを見て来院するケースが増えていることがわかる。そのため、MEOは非常に有効な施策といえるだろう。
Nクリニックの取り組み
では、これらの取り組みにおいて、Nクリニックはどのように展開したのかを見ていこう。
このマップにおいて、上位表示させるためにはいくつかのポイントを押さえる必要がある。まずは、下の図をご覧いただきたい。
Googleが、MEOつまりGoogleマップを運営しているわけだが、収益の9割が広告収入なのだ。この広告収入がなければ、彼らは売上を上げることができない。その上で下の図を見ていこう。
東京インプラントで検索された際に関連性や信頼性がないサイトが表示されると、ユーザーは離れていってしまう。そのため、下の図にあるようなGoogleマップで上位表示させるMEOでは、検索ワードとの関連度・サイトとしての信頼度が重要となる。
さらに、この関連度と信頼度について深掘りしていこう。まず、関連度においては第一に検索ワードとの関連性がある。例えば、東京レーシックなどで検索したときに、自医院の内容が東京のレーシックに準ずるものであるのかが重要だ。また、現在地からの距離においては、Googleマップにはユーザの住所を登録する機能があり、検索すると自分の住所から近い場所が表示されるようになっている。
そして、信頼度においては、人員の住所や電話番号が正しいかどうかが評価されており、さらには店舗の知名度が信頼度として評価されているとも言われている。ここまでを踏まえると、現在地からの距離と店舗の知名度については、対策ができないことがわかるだろう。
そのため、MEOでアクセスを増やすためには、検索ワードとの情報の精度が必要になるのだ。中でも、情報の精度についてどのような対応が必要か、下の図をご覧いただきたい。下の図にあるように、六つの情報を入力することが重要である。
例えば、概要・最新情報・商品などについては下の図のようになる。住所や電話番号だけではなく、最近のニュース、あるいは医院のサービスについて掲載することが重要だ。
また、掲載写真や詳細には、下の図にあるように口コミが表示されるため、写真は院内の雰囲気などを綺麗に撮影することが重要だ。もちろん、医院のサービス内容は細かに記載する必要がある。
口コミ対応の重要性
次に、口コミについて触れていく。下の図をご覧いただきたい。下の図は、口コミの重要性を示すべく信頼できる情報源を調査したアンケートである。
左側にあるように、知人からの推奨、あるいはインターネット上の消費者の意見といった情報源が重要であると回答するケースが多く見られる。また、X社の発表によると、ブランドに関する口コミが10%増えると売り上げが3%増加すると言われている。そのため、このような観点での口コミが非常に重要な施策であることがおわかりいただけるのではないだろうか。
Googleマップには口コミに関する情報もあるが、例えば、下の図のように口コミが増えると、接客の品質が上がり・良い口コミが増えて・集客も増えるとの正循環を実現することができる。では、どのようにして正循環を作ることができるのだろうか。下の図をご覧いただきたい。
まず、口コミが増える体制作りをすることが重要であり、これらにはさまざまな施策がある。ここからは、Nクリニックの行っている代表的な施策を紹介しよう。下の図は、院内にPOPのようなものを設置しGoogleの口コミを募集する方法である。特に、対面で受付スタッフに口コミの依頼をさせることが有効だ。
さらに、下の図にあるように、自医院のファンを作り患者に口コミをしてもらう手法も有効だ。自医院のファンのことをアンバサダーというが、このアンバサダーを活用した手法は、近年で重要性が増してきた。
次に、良い口コミを増やすとの観点についても触れていく。下の図にあるように、口コミが増えると接客品質が上がり良い口コミが増え、集客も増えるとの正循環を意識することが重要だ。
その上で、下の図は、良い口コミを増やすための施策になるが、端的に表すと、医院側から口コミに対してコメントを記載することが重要である。
これらを踏まえ、Nクリニックの行っていた良い口コミを増やすための三つのポイントを押さえていこう。
①お礼を伝える
まずはお店への来店と、口コミを書いていただいたことに対する感謝を伝えよう。丁寧に感謝することが次の来店に繋がるため、抜け漏れなく返信することが重要である。
②評価だけの口コミにも返信をする
口コミには星のみでコメントがない口コミも存在するが、こちらへも同様に返信を行う必要がある。内容に困った場合は、お客様に知らせたいお役立ち情報などを併せて掲載すると効果的だ。
③過去の口コミも遡って返信する
過去の口コミに対しても、可能な限り返信を行うことが重要である。返信は口コミを書いていただいたユーザーに通知が入るので、再来店のきっかけにも繋がるためだ。さらに、口コミについて重要なポイントがもう一つあり、それは、悪い口コミに対するフォローである。良い口コミよりも悪い口コミに対する対策が当然ながら重要になるのだが、こちらについてもポイントが三つある。
①返信を定型文にしない
心がこもっていない印象を与えるため、内容には変化をつけて一つ一つ丁寧に返信し、お客様と積極的にコミュニケーションをとることが重要である。
②真摯に対応すること
内容に関しては、不快にさせてしまったことへのお詫びと、今後の対策や改善方針などを示した内容を詳細に記載することが重要である。
③受付担当が対応する
返信に関しては、可能な限り実際の当事者が対応することが重要である。状況が困難な場合には、担当を決めてお客様相談室として対応を行うなどの工夫をとろう。
このように、Nクリニックは、日々のMEO対策や顧客への細かな返信などを行うことで満足度の高いイメージを維持し、大幅な集客の改善を実現した。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
集客には、検索ワードと情報の精度に力を入れるMEO対策が有効である。
集客の正循環を実現するためには、Googleマップの口コミを増やすことが重要である。
口コミを活用して集客するには、医院内の宣伝活動やアンバサダーの任命などを行う。
良い口コミには積極的な返信を、悪い口コミには真摯なフォロー対応を心がける。
以上、本日は、口コミで信頼を獲得するために行うMEO対策について触れてきた。MEOについては、無料で集客を増やすことができる施策になるため、積極的に活用していこう。