今回は、医療業界バンバン集客塾の2時間目として、商品戦略について見ていこう。

 

前提として、前号の1時間目の内容を踏まえて、お読みいただきたい。

 

 

では、本日の目次を示そう。

 

 

医療業界のサービスと市場

 

まず、医療業界のサービス価値は、下の図に示した方程式で構成される。

 

 

分母に価格があり、分子にハードとソフトとブランドがある。前号ではソフトが重要であると述べたが、当然ながらハードも重要である。医療業界におけるハードとは、医療設備や技術、物理的環境のことを指している。

 

 

具体的には、医療処置の正確性や治療技術はもちろんのこと、医療機器の質の高さや内装の清潔感、ベットや個室などの治療にかかる設備についてを指している。その他、予約システムや電子カルテなど、近年のデジタル化に適応した技術もハードに含むものである。よくクリニックの宣伝に使われる「最新機器での治療」などは、ハードの強みを押している内容であり、医院はこれらの強みをいかに顧客へPRできるかが重要となるだろう。

 

 

また、近年は、集客におけるデジタルツールも発展し、どこの医院も積極的に外部へPRができる時代になった。そのため、診療時には、質の高い医療サービスについても自医院の強みがどのようなものなのか訴求することが重要となる。

 

一方で、単に需要が高いとされる医療サービスの提供ばかり行うこともリスクを伴う可能性がある。自医院の商圏において、患者の希望する医療サービスを調査すると、世間的に流行りの施術ばかりが人気を占めているわけではない。これらは、地域の患者層などによって変化する。

 

このように、自医院の患者の要望を把握したうえで、求められている医療サービスを提供する「マーケットイン」の発想が、現代の医療現場では重要とされている。これに対し、医療機関側の提供したい技術やサービスを優先する「プロダクトアウト」の考え方は、医療資源が限られていた時代には一定の効果があったものの、患者の選択肢が多様化した現在では十分に機能しにくくなってきた。

 

 

そのため、単に流行りの治療が良いと決めつけるのではなく、市場調査を行った上で、サービス展開していく形が望ましい。

 

視覚的な魅力を高める

 

次に、医療サービスの見せ方という観点について見ていこう。そもそも、自医院の医療サービスの魅力は患者に明確に伝わっているのだろうか。これらの魅力を伝えるには、技術訴求型とサービス訴求型という二つのレベルがある。まず、技術訴求型について解説していこう。

 

 

下の図をご覧いただきたい。この図はハンバーガーのメニューを記載したものであるが、ある会社では左の写真を使い、別の会社では右の写真を使っている。

 

 

当然、どちらの方が売れ行きが良いかは一目瞭然だ。このような当たり前のことが、医療業界では、できていない場合が多い。下の図をご覧いただきたい。この図は、ある医院のチラシやホームページの掲載を示したものだ。

 

 

たとえば、施設写真のビフォーアフターがわかりにくい、写真が汚いなどの改善の余地があることが一目瞭然だ。医療機関として質の高いサービスを提供しているにもかかわらず、その魅力を適切に伝えられていないのは非常にもったいないと言える。広報や紹介用の写真撮影においては、下の図のように、コントラストを調整して明確に治療の変化を見せる、患者が魅力や清潔感を感じやすい写真を利用するなどが重要なポイントとなる。

 

 

これらは決して難しいことではなく、今ではCanva(キャンバ)などの無料ツールを活用した加工が可能で、外注でも1枚千円程度で依頼することができる。また、治療効果の宣伝についても、鮮明に撮影した上で、より比較しやすいように加工することも効果的である。これらは、インスタグラムの投稿などでも同様のことが言えるため、ぜひ対策していただきたい。

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