今回は、セミナー運営体制の導入により来院数を1.5倍にした、愛媛県のE歯科医院の事例について見ていきたい。

E歯科医院は愛媛県を中心に地域密着で展開している歯科医院であるが、来院数が減ってきていることに悩んでいた。そこで、E歯科医院ではエリア内の来院数を伸ばすため、セミナー運営体制の施策に取り組むことにした。
では本日の目次を示そう。
診療予約の導線設計
E歯科医院は、下の図のように「最近、来院数が減っている。さらに再来院率も落ちており、どうしたものか」と、悩みを抱えていた。

このような状況の中で、E歯科医院はセミナーを開催し、集患を強化する取り組みを始めた。まず前提として、下の図をご覧いただきたい。

保険診療でもそうであるが、自費診療であればサービスへの関心度を3段階に分けることができる。「今すぐ受診したい」という今すぐ客は、全体のわずか2〜3%に過ぎない。一方で、「今後受診を考えている」というこれから客は20〜30%、「興味はあるがまだ先だな」と考えているまだ先客が50〜60%を占めている。
このことから、「今すぐ客」はすぐに診療予約につながるが、残りの90%以上の層にとっては、診療予約という行動のハードルが高いことがわかる。したがって、下の図のようにそれぞれの層に合わせて導線を設計していくことが重要になる。

具体的には、まず、「今すぐ客」に対しては診療予約の導線設計を行う。これは歯科医院が従来からやっていることである。次に、「これから客」に対しては、勉強会や相談会といったセミナーを開催して来院のきっかけづくりを行う。そして、「まだ先客」に対しては、ガイドブックのダウンロードなどを通じてリードを獲得しておくことが効果的である。
E歯科医院の取り組み
今回のE歯科医院の取り組みは、保険診療を中心としたセミナー開催をベースにしている。例えば、下の図にあるように健康をテーマとした口腔健康セミナーを実施することで、エリア内の保険診療ニーズを効率的に取り込むことができる。

このような場合には、セミナー会場として中立的な公共施設などを借りることで、信頼性と参加しやすさが高まる。しかし、告知のためのチラシ作成やポスティングにはコストがかかるという課題もあるだろう。また、クリニック単独で「セミナーを開催します」と告知すると、営業色が強くなりがちだ。 そこで、下の図にあるような自治体の広報誌や案内といった、公共機関の媒体に告知を掲載する方法をおすすめしたい。

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