
ノウフルにてコラムを連載しております、三浦あかねと申します。第四回もどうぞよろしくお願いいたします。本コラムでは、スタッフ教育を中心に、クリニック経営に役立つさまざまなノウハウをお伝えしていきたいと思います。今回からは自費診療強化に向けて、カウンセリング力をどのように向上させるのかについて触れていきたいと思います。
では本日の目次をお示しいたします。
トップカウンセラーのカウンセリング
私たちは様々な医療従事者のサポートをしていますが、その中でもカウンセリング力が高く、自費の契約率全国トップ10の契約率を誇るカウンセラーと日々意見交換をしています。
そのカウンセラーたちと座談会を行った際に、どのようにカウンセリングをしているのかというテーマで議論したところ、10人が共通して答えたのが「単にサービスの案内をするのではなく、患者の心理ステップに沿って行うことだ」ということでした。
なんとトップカウンセラーたちは、勤務場所こそ違えど同じ流れでカウンセリングを行っていたのです。その流れが下の図になり、我々はこれを「5つの心理カウンセリングステップ」と呼んでいます。

簡単に説明すると、まずグリッピングとは人として認められるということです。まず人として認められなければ成約につなげることはできません。その上で、プロとして信頼されるためにポジショニングというフェーズに入ります。そして課題を聞き出すコーチングに入り、最終的に自院を選んでもらうための選定基準を与えるフレーミング、そして生活をイメージさせるイメージングへと続きます。10名すべてのトップカウンセラーがこの流れを実践していたことは驚きでしたが、この流れを確実に押さえなければ集患が増えても契約につながらないということになるのです。
グリッピングとは
今回はグリッピングから説明していきましょう。まずグリップという言葉を聞いたことがあるでしょうか。グリップには本来の意味と、ビジネスで使われる意味があります。本来はラケットやバットのグリップなど、握るという意味で使われますが、ビジネスでは関係性を構築する・認識を合わせる・約束するなどの意味で使われています。一般的に、初診の患者は医師に対して警戒心を持った状態で来院します。
この段階では、スタッフとの会話においても口数が少なかったり質問に対しても当たり障りのない範囲で返答するに留まったりと、十分なコミュニケーションが成立しません。まずは患者の警戒心を解きほぐし、普通に会話ができるだけの関係を構築することが重要です。言い換えれば、自然に話を聞いてもらえる関係性を作ることです。どのようなカウンセリングにおいても、まずは良好な人間関係を築き好感を持ってもらわなければ始まりませんし、グリッピングが不十分なまま話を進めると、一方的な説明で終わるだけでなく不快感さえ与えかねないのです。
簡単に言えば、初診の患者は自費診療において「強引に営業されてしまうのではないか」と身構えており、ボクシングでいうガードを上げている状態なので、初診のタイミングでどのようにしてそのガードを下げるのかが重要になります。

このエッセンスには5つの要素があります。これらはアメリカの論文で紹介されている実際の社会学の研究データに基づいた内容ですが、まず1つ目が社会的望ましさです。これは一般的に好感を得やすい特性のことで、社会的望ましさの最も顕著な例は、見た目の身体的魅力であり、医療従事者においてはスタッフの身なりや立ち居振る舞いに当たります。特に医療業界においては、ターゲットとなる顧客の中心である女性から好感を持っていただける身なりかどうかが極めて重要です。
例えば、望ましさでいうと言葉尻なども当てはまります。平坦なトーンや低めの声、早口などは冷たい・怖い・高圧的という印象を与えてしまい、「〇〇ですから、〇〇しないとダメです」といった断定・命令口調は避けて少し明るく語気を上げ気味にし、親しみと安心感を持って会話をするように心掛けましょう。

また、言葉のイントネーションも重要です。例えば「この治療が必要なんですね」と柔らかく間を取ることが重要であり、「この治療が必要です」と低く早く事務的に伝えることは控えなければなりません。

また、ある科学者の研究によると、人に好かれる要素のベスト5は誠実・知的・信頼・親切・ユーモアです。ですから、特に誠実であるかという点をしっかりと心掛けるべきでしょう。このような社会的望ましさはクリニック全体にも言えることです。

例えば、下の図にある2つの食堂において、どちらの方が印象が良いでしょうか。

当然ながら、綺麗に整っている場所の方が空間としての社会的望ましさを得られるのです。メラビアンの法則という言葉がありますが、まさに視覚情報の50パーセント以上が、この社会的望ましさと深く関係しているのです。

次に自己開示です。自己開示とはその名の通り、医療従事者が自分がどんな人間なのかを患者に知ってもらうことです。人間関係が親密になっていく過程においては、パーソナルな情報交換が非常に重要な役割を果たします。とはいえ、突然自分の話を始めても患者は違和感を覚えるだけであるため、自身の情報をまとめた自己紹介カードを活用すると効果的です。下の図のような項目でプロフィールを書き、推薦文を作成してホームページに掲載するのも良いでしょう。

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