今回は、自費診療業界における戦略理論の中でも注目のポジショニング分析にスポットを当てていきます。まずこちらをご覧ください。こちらは、ある医院長の悩みを記載したものです。

 

そろそろうちも中期経営計画のようなものを作る必要があるかもしれないな。

でもそもそも何から始めればいいんだろう。

戦略って言われても小難しくてよく分からないし。

3CとかSWOTってよく聞くけど一体何?

それを理解したところで売上が伸びるのかな?

一体戦略って何だ?

 

このように3C分析やSWOT分析などさまざまな言葉を書籍などで読んだことがあるものの、どのように活かせばいいのかについては、いまいち理解できてない経営理事長・医院長も多いのではないでしょうか。今回はそのような戦略理論において、中でもポジショニング分析について触れていきましょう。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

ポジショニング分析とは

 

下の図をご覧ください。これは、自費診療業界におけるポジショニング分析の要点を簡潔にまとめたものです。

 

 

左側の図では、自医院の強みを技術力とすれば多くの競合が存在する一方で、技術力だけでなくサービス品質という観点で勝負をすると、すみ分けが出来、競合が減ることがわかります。このようにポジションについての設計を行うことを、ポジショニング分析といいます。このポジショニング分析には、大きく三つの手順があります。

 

 

ポジショニング分析をする上で、自費診療業界においてどのような市場が存在するかを明確にすることが重要です。例えば、下の図をご覧ください。自医院がどのポジションを目指すかという観点で四つの軸を示しています。ポジショニングを行う上で四つの観点に考え方を分けることができます。

 

 

地理分類
この国を狙う、あるいはこのエリアを狙うといった分類がこれに該当します。

 

人口分類
高齢者を狙うのか、若年層を狙うのかといった分類が該当します。

 

心理分類
こちらは価格重視層やサービス重視層を狙おうなどの特性から逆算した分類になります。

 

行動分類
リピーターなどの行動に焦点を当てた分類になります。

 

自費診療界においては主に③の心理分類にてポジショニングがされる傾向にあります。その上で分類した要素でが実際に集患できる観点かどうかが重要です。自医院においては、顧客が来院することが非常に重要であるため、集患決定要因でポジショニングをすることが重要です。

 

アフターが良い、先生の腕がいい等の軸に関しては、契約決定要因であり、そのような切り方をしてしまうと、そもそも集患に繋がらないリスクがある為、ポジショニング戦略を確立する上で、その選択が集患できる要素であるのかを事前に抑えることが大事です。

 

 

下の図をご覧ください。チラシなどに押し出して反響が出る要素、つまり実績や技術などをアピールして打ち出したポジショニング分析を示しています。このように、その軸で打ち出すことで集患できるかを考えることも重要です。

 

 

次に検討すべきは、自分たちがどのような要素でポジションを設定するかです。下の図をご覧ください。下の図は、自医院と顧客に共感する考え方ですが、自医院の得意分野でありながら顧客のニーズを満たし、同時に競合が強く参入が難しい領域をUSPと呼んでいます。これを踏まえて、USPを基にしたポジショニングを見つけることが重要です。

 

 

USPの設定と戦略展開

 

では、どのようにしてUSPを決定するのでしょうか。下の図をご覧ください。下の図は、自費診療業界における価格・技術・サービスなどの要素に対し、顧客の感度や競合の強さ・人員の強みなどの観点からまとめた表になります。

 

 

このような分析を行うことは、自医院の集患を増やすために必要な対策です。ここでは簡単にまとめましたが、下の図のように、実施時には詳細な分析を行いながら進めることが求められます。

 

 

同様に、下の図のように様々な方法で分析も実施していきましょう。

 

 

顧客に関しては、ネットリサーチを行ったり、座談会を開催する手段があります。さらに、競合についてはWEBリサーチなどの調査を行うケースがあります。自医院においては、医院内でアンケートを取ったり、実際の患者にアンケートを実施することが重要になります。また、下の図のように、市場規模・成長性・競合状況・優先順位・到達可能性・関係の反応の測定可能性などを適切に分析することも必要です。

 

 

これに基づいて、次に戦略の方向性を検討しましょう。下の図の通り、USPを決定した上で、販売戦略や商品戦略を展開していきます。商品戦略では、自社のパッケージやブランドの保持機能などを強化していくことが重要となります。

 

 

ブランドに関する詳細な情報については記事内で触れていますので、そちらも参照ください。

 

 

また、下の図をご覧ください。販売戦略においては、自費診療業界における集患構造を理解し、販売ルート規格を設計することが重要となるのです。

 

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

ポジショニング分析は、四つの観点(地理分類・人口分類・心理分類・行動分類)で検討する

自費診療界において心理分類が重要である

自医院のUSPを基に詳細な調査を行った上で、戦略の方向性定める

 

以上、今回は自費診療業界におけるポジショニング戦略の重要性について触れてきました。

 

今後、自費診療業界においては、競争がかなり激化すると考えられていますので、今のうちにしっかりと戦略の見直しを行っていきましょう。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

フォローすると最新情報がTwitterで確認できます

おすすめの記事